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日本人の気概を教える(海底ケーブル)


広島県広島市立亀崎小学校  藤井 達也


 現在のインターネット社会を陰で支えているものはたくさんあります。
海底ケーブルもその一つです。目には見えませんが、便利なインターネット社会において欠かせないものです。
日本とアメリカ13000kmをむすんでいる海底ケーブルの存在を知り、日本人の気概にふれる授業です。
前半は河田孝文先生が、平成13年12月に長崎教育技術学会で行われた等高線の授業を基に作りました。



1,等深線の学習(■はクリック) 授業用サイト(フラッシュ550kb) 授業プリント(一太郎55kb)

説明 この間社会の時間に等高線のお勉強をしました。
   等高線は山の高さを表すものでした。
   等高線と似ているもので等深線というものがあります。
   等深線は海の深さを表すものです。
   練習しましょう。■

指示 スクリーンに出ている絵を見なさい。
    赤い線と等深線が交わっているところを押さえなさい。

発問 赤い線と一番左で交わっているのは何mの線ですか。

0mです。

指示 赤鉛筆で0メートルの横線までまっすぐ下に線を引きなさい。
   ものさしを使うのですよ。

指示 横線と交わったところを点で打ちなさい。 

指示 100m、200mメートルと同じようにやっていきなさい。
   スクリーンにでてきますから、よくわからなくなったらスクリーンを見てご覧なさい。■
   最後に鉛筆で点と点を結びなさい。

指示 次に日本の近くの海をやってみます。■

指示 さっきと同じようにやります。用意はじめ。■

指示 スクリーンを見てやってもいいですよ。

発問 一番深いところは何メートルですか。

7000メートル

説明 日本の近海にはこのようにとても深いところがあります。
   日本海溝といわれています。
   一番深いところで9000メートル近い深さなのです。■
   富士山の高さが3776メートル■
   富士山の2つ分がすっぽり沈んでしまう深さなのです。


2,海底ケーブル

発問 この日本海溝8000メートルの深さのところに人間が作ったあるものが通っています。
   そのあるものは、なんだと思いますか。

説明 ■海底ケーブルです。日本とアメリカをつないでいます。
  アメリカに電話をかけたり、インターネットでアメリカのページをみるときに海底ケーブルを通って信号が伝わっています。■
   これは、アメリカのホワイトハウスのページです。13000km離れたアメリカからわずか数秒で日本に届きます。

発問 海底ケーブルの太さはどのくらいだと思いますか。手でその大きさをあらわしてご覧なさい。

指示 隣の人と比べてご覧なさい。

説明 ■直径2cmなのです。プリントの下にある円の大きさがケーブルの太さと同じです。

発問 この2cmの中に光ファイバーというものが通っています。この光ファイバーの中を信号が流れていくのです。光ファイバーの太さはどのくらいだと思いますか。円   の中を塗ってご覧なさい。

説明 ■光ファイバーは髪の毛よりも細いものです。
   見えないかもしれないけれど、この先にあるのが光ファイバーです。(提示)
   見たい人は後で見に来てもいいですよ。

発問 このケーブル1本を使って電話をするとしたら同時に何人の人がアメリカに電話ができると思いますか。 
  @3000人ぐらい
  A30万人ぐらい
  B3000万人ぐらい

説明 10年前は7560回線だったのですが、今では3750万回線同時にできるそうです。


3,最新の設備も人間の手で (5:00)

説明 ■日本初の光ファイバー海底ケーブルを引いた時の責任者だった細谷辰夫さんです。細谷さんたちはハワイまでの4000kmを引かれました。飛行機で7時間  かかる距離です。

発問 ハワイまでケーブルを引くのにどれくらいの時間がかかったと思いますか。

説明 2年かかったそうです。
   さっきみんなも等深線の学習をしたように、海の中はでこぼこなのです。■
   ルートを決めるのにも、6ヶ月間海底の調査をされたそうです。■
   ルートを決めたら、船でケーブルを海底に沈めていきます。■

発問 どれくらいの速さでケーブルを引いていくと思いますか。
   @時速10km 人が歩く速さ
   A時速30km バイクが走る速さ
   B時速100km 車が高速道路を走る速さ

説明 時速10kmの人が歩く速さなのです。
   海底ケーブルを引く技術は日本がトップレベルなのだそうです。

説明 最初は、主に電話の通信に使われていた海底ケーブルもインターネットの普及で、様々なことに利用されるようになりました。■
   日本のような島国がインターネット社会を生き抜いていくには、海底ケーブルが必要なのです。細谷さんたちが作ってくれた海底ケーブルが日本と世界の橋渡し   をしてくれるのです。

○参考にした実践
・FLASHについて
 「教科書で創る社会科授業〜社会科の基礎学力を保証する〜」河田孝文氏(日本教育技術学会第15回長崎大会)
 「南沙諸島」谷 和樹氏
・海底ケーブルについて
 「メタルカラー」の時代(山根一眞)
 お父さんの技術が日本を作った!(茂木宏子)小学館
 KDDI研究所から送っていただいた資料
 ホワイトハウスホームページ
 どこまでも徹底取材インフラ探検隊(http://www.watch.impress.co.jp/broadband/column/infra/2001/10/04/)
 Japan-USケーブルネットワークの運用開始について(http://www.kddi.com/release/2001/0830/index2.html
 NEC: Press Release 2000/4/18-02(http://www.nec.co.jp/press/ja/0004/1802.html)
 これが海底光ファイバーケーブル敷設船だ!!――AGC、台湾で敷設船を公開(http://biz.ascii24.com/biz/news/article/2001/07/30/628333-000.html
 光ファイバーのひみつ(http://s-kurukuru.jst.go.jp/room/sp/kagaku/himitsu/himitsu.htm
 国際ケーブルシップ株式会社(http://www.k-kcs.jp/index.html
 平成11年版通信白書(http://www.yusei.go.jp/policyreports/japanese/papers/99wp/99wp-0-index.html
 通信白書 for Kids:メディアミュージアム:現代館(http://www.kids.soumu.go.jp/museum/gendai/tsushin/01_denwa/denwa_01a.html)
・海底地形図
 「日本近海海底地形図」縮尺800万分の1 海上保安庁発行


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